環境にやさしいふっ素樹脂表面処理技術 アドバンスト フロン テクノロジーズ有限公司

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1. はじめに

 アドバンスト フロン テクノロジーズ有限公司(以下、AFT社と略す)は、当社の子会社である上海バルカーふっ素樹脂製品有限公司(以下、SHVと略す)と、イタリアのふっ素樹脂成形メーカーであるガニフロン社(以下、GF社と略す)との合弁会社である。
 GF社が、イタリアで展開しているPTFEの表面処理技術を提供し、上海でふっ素樹脂製品を生産しているSHVが、原反材料の提供、工場の提供、生産オペレーションを担当して、中国上海にてPTFEの表面処理加工を実現させた会社である。

 ふっ素樹脂の表面処理技術自体は、決して新しい技術ではなく当社においても、液体アンモニア+金属ナトリウム溶液を使用した表面処理製品を約40年にわたり供給してきた。
(一般にアンモニア法と呼ばれる)
 今回、AFT社にて実施する表面処理はナフタレン+金属ナトリウム+ジグリム溶液を用いて実施する。
(一般にナフタレン法と呼ばれる)
 本両法は化学反応を利用することから、化学的処理法=ケミカルエッチングと呼ばれている。

2. 製品・製法の特徴

 以前に当社にて実施していたアンモニア法と、今回AFT社にて実施するナフタレン法の優劣をイメージで表すと、Table1となる。各々の技術詳細については割愛する。
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2-1)ナフタレン法の特徴
①反応速度が遅いため、生産速度は遅くなるが、色調は安定しやすい。
②使用薬品は有機化合物のため比較的高価であるが、アンモニアと比較すると、
 品質の経時的変化は安定しているため、長期の保管が可能である。
③常温で扱えるため、作業が容易である。
④溶媒は再生(蒸留)可能である。
⑤特殊接着用途ではアンモニア法に劣る部分がある。一般の接着では差異は無い。

Figure1に処理見本、Figure2に処理ライン概略を示す。
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2-2)ナフタレン法による環境負荷低減策
 ナフタレン法においても多量の溶媒・洗浄水を必要とする。この中で環境負荷を最小限にとどめるための処置について紹介する。
①排気処理
 ジグリム及びナフタレンの蒸気は排気装置と活性炭フィルターにより捕集洗浄され法規制値
 以下で排出される。

②廃液処理
 使用済み処理液及び洗浄用溶媒は、蒸留操作により回収され洗浄用溶媒として再利用される。
 回収率は95%程度である。少量の蒸留残渣(ふっ化ナトリウムなど)は、産業廃棄物として処理
 業者に引き渡される。

③排水処理
 大量に使用される洗浄水は、処理プラントにより処理される。このため、排出されるのは少量の
 濃縮水のみである。使用水量の3%程度に低減されている。97%は洗浄水として再利用される。
 以上の対策により、産業廃棄物排出量の低減と環境負荷の低減を行っている。Figure3に産廃処理イメージを示す。
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3. 製品仕様・製作範囲

 製品の表面接着性を簡便に測定する方法として、濡れ張力指数が多く用いられている。当社およびAFT社でもこの方法を用いている。
 濡れ張力指数の保証値は45mN/mである。
 ただし、ケミカルエッチングの弱点である耐候性と保管性の面から、遮光・常温保管で6ヶ月以内となっている。
 製作範囲は

  厚み:0.05~5mm
  幅 :~1500mm
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となる。この場合も厚み幅の組み合わせで対応できない場合もあるので、製作にあたり事前のサイズ確認が必要である。
 性能確認試験の一例を表Table2に示す。

4. おわりに

 本製品は、昨年度より製造販売を開始したばかりである。
 これまで、当社のアンモニア処理製品をご愛顧いただいてきたお客さまに向けて更なるPRを推進していきたい。
 一部ゴム製品との加硫接着を実施されているお客さまについては加硫剤の見直しなど必要となるケースも推定されるが、大多数の接着剤使用のお客さまに対しては、十分ご満足いただける製品であると自負している。
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