ZEUS製ふっ素樹脂 熱収縮チューブ (ヒートシュリンクチューブ)

ZEUS製ふっ素樹脂熱収縮チューブ(ヒートシュリンクチューブ)
機能樹脂事業部
鈴木 健之

1. はじめに

 当社ではアライアンス契約によりZEUS社(ズース社、以下ZEUS)の製品を販売している。ZEUSはふっ素樹脂のチューブなどで多様な製品群を有しているが、その熱収縮チューブにおいては特に多くのサイズ、樹脂、収縮率の製品を揃えており、同社の主力製品の1つとなっている。
本報では、そのふっ素樹脂熱収縮チューブのラインナップとその特徴を紹介する。

2. 用途

 熱収縮チューブは「熱処理により径方向に縮む」加工を施したチューブで、芯材に対して密着性の良い被覆を形成させることができることから、電線やハーネスの結束および絶縁スリーブなどで用いられる。
 特に、ふっ素樹脂の熱収縮チューブはその耐熱性や電気絶縁性から、200℃以上の高温や腐食性雰囲気など過酷な環境で用いられる部材の保護や長寿命化などの目的で使用される。具体的には、半導体装置やセンサーの耐熱・耐薬品被覆、ハロゲンランプやLEDの絶縁などの用途がある。他にも、離型性・滑り性を付与する目的で搬送系やラミネート機、印刷機のローラーへの被覆、さらには純粋性から食品分野、生体適合性から医療分野への展開ができる。
 一般にふっ素樹脂による被覆はコーティングが主流だが、熱収縮チューブを用いることで厚肉の被覆を均一に形成できるため長寿命化、ピンホールなどへの信頼性の向上の期待ができ、更に加工および交換作業が容易という利点もあるため費用・工数の削減にも貢献できる。

 3. 製品仕様

 ふっ素樹脂熱収縮チューブの標準品はFEPとPTFEから選択ができる。両者の特徴を挙げると、FEPは収縮温度が低い為加工が容易であるという特徴があり、PTFEは収縮率が高い事が特徴であるが、収縮加工温度が高く加工性は劣る。以下の表に標準ラインナップを示す。(Table.1)
 特筆すべき点として、小口径から大口径まで幅広いチューブサイズを用意しているという点が挙げられる。特に、「ロールカバー」は100mm以上の芯材でも被覆が可能であり、工業用の大口径ロールなどへ適用ができる。また、高収縮品は凹凸が大きい箇所でも一度に被覆できるので、段付きローラーや被覆材が厚い電線のスリーブなどにも対応できる。
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1) 収縮率は径方向のみを指定している。収縮加工により長さ方向へ伸縮する可能性がある。
  肉厚は完全に収縮した時のものである。収縮後内径の値より大きな芯材に被覆する場合はカタログの肉厚より薄くなる。
2) 収縮率はカタログ上の呼びである。肉厚および径により収縮率は異なるのでカタログでの確認が必要である。
3) 被覆可能サイズは目安である。
4) FEPの熱収縮は205℃未満でも一部収縮が進行することがある。205℃は収縮が完全に終了する温度の目安である。

4. カスタム対応

ふっ素樹脂熱収縮チューブは上記の表以外にもカスタム対応ができる。以下にその一部を示す。

・樹脂          PFA、ETFE、PEEK
・サイズ※1        大口径(~200mm)、
             極薄肉(0.038mm~)、カット長指定
・フィラー添加      着色、導電性付与など
・その他          被覆加工、親水性処理
            (ケミカルエッチング)など

※1 樹脂により最小/最大径、肉厚、カット長の限界値は変わる。

5. おわりに

 今回紹介した熱収縮チューブに限らず、押出チューブに関してもMIL規格対応品など、豊富なラインナップを標準品として揃えている。また、カスタム対応としてカラーチューブ、極細径・極薄肉チューブ、異形断面・多穴チューブ、後加工などの他にもePTFEチューブ、PEEK熱収縮チューブなどユニークな製品群を有している。
 熱収縮チューブをはじめとする上記の製品群により、従来対応が難しかった分野への可能性を広げることができると考えている。

※本文中のデータ、値は全て一定の環境下における代表値である。使用に際しては十分に適正を確認する必要がある。

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