耐熱性に優れたPEEKTM絶縁ワイヤー

耐熱性に優れたPEEKTM絶縁ワイヤー

1. はじめに

 当社は米国ZEUS社(ズース社)と2009 年にアライアンス契約を締結し、PEEK 熱収縮チューブ(PEEKshrink®)の販売権を取得した。更に、本年からPEEKTM絶縁ワイヤーも販売開始することとなった。
 本報では、ZEUS社の持つ多くのラインアップより、電気、自動車、航空宇宙などの最先端分野で優れた特徴をもったPEEKTM絶縁ワイヤーを紹介する。

2. 特長

 熱可塑性樹脂の中で、スーパーエンジニアリングプラスチックとして高い性能を持ち、広く認められているPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、非常に高い耐熱性と剛性を備え、電気的特性や耐薬品性に富む素材である。PEEK™絶縁ワイヤーは、PEEKを絶縁部として線材と同時に押出被覆した製品である。
p25.2
 PEEK™ 絶縁ワイヤーは、260℃の環境下で連続使用が可能で、優れた耐摩耗性と耐薬品性、および絶縁耐力を備えている。
 また、ピンホールレスで長期間にわたって素材の特性を維持できる。
 PEEKTM絶縁ワイヤーは、特に厳しい環境下での使用を念頭に設計されており、高い信頼性が求められるモーター、発電機または変圧器などの磁気ワイヤーや巻線などで使用されている。
 また、電気電子、石油掘削機器、自動車、航空宇宙産 業においても幅広く使用されている。
製品(PEEKTM絶縁ワイヤー)の特長:
• PEEK 熱収縮チューブ(PEEKshrink®)を使用することでPEEKTM絶縁ワイヤーとの接続が可能
• ASTM B-3による焼きなまし、ソリッドまたはラウンド裸銅線
• AWG4からAWG32までの幅広いラインアップ
• 絶縁部の肉厚範囲 0.025mmから0.381mm
• 押出工程内に100%のACスパーク検査を実施
• 丸線、角線、平角線など、多様な形状に対応可能
• 銀およびニッケルメッキなど、ご指定のワイヤーに対応可能

絶縁部(PEEK)の特性:
• 耐熱性: 連続使用温度260℃、融点340℃、分解温度約500℃で非常に耐熱性に優れている。
• 難燃性: PEEKの酸素指数値38で、難燃性に優れている。
• 機械特性: 常温での引張強度100MPa、250℃での引張強度10~15MPaであり、高温でも十分な強度を有している。
• 電気特性に優れている。
 耐電圧105KV/mm 誘電率(at60Hz)3.2
 体積固有抵抗4.9×1016Ωcm 表面抵抗2×1016Ωcm
• 耐薬品性に優れている。(濃硫酸は使用不可)

3. 用途

電気電子、石油掘削機器、自動車、航空宇宙およびその他の産業で使用されるアクチュエータ、発電機、モーター、及び変圧器用のコイル用電線などに使用されている。

4. 製品仕様

絶縁部(PEEK 部)の肉厚は、要望に応じて、下表に基づき用意可能である。
p26.4

5. 製品特性

以下に示すTable2,3の製品特性は、特定サイズでの参考値であり、機能を保証するものではない。また、PEEKTM絶縁ワイヤーには米国NEMA 規格(National ElectricalManufacturers Association)で定められた値が無いため、ここではNEMA MW1000 基準でMW-16C(240℃)の最高温度に基づいている。
p26.5-1
p26.5-2

6. おわりに

 2011年に掲載したPEEK熱収縮チューブ(PEEKshrink®)や、今回紹介したPEEKTM絶縁ワイヤーなどのZEUS 高機能チューブは、電気・通信・機械・航空宇宙などのあらゆる分野で使用されている。そして、この間に蓄積された45 年を超える高分子化学における経験を活かし、高水準の品質管理の下で生産された製品を世界に提供し続けている。
 また、極細径・極薄肉・異形断面・後加工・機能付与(帯電防止、着色他)などの顧客要求に合わせた対応を得意としている。
 お客さまのお持ちのアイデアを実現するために、是非とも当社にご相談頂き、また、一緒に開発に取り組むことによって、お客さまの抱える困難な課題解決に貢献していきたいと考えている。

7. 参考文献

1) 斉藤学 バルカー技術誌 No.20 19-20(2011)
p27

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