水空気マグネシウム電池

水空気マグネシウム電池

1. はじめに

 地球温暖化防止、再生エネルギー、環境問題など、世界的なエネルギーの有効活用と環境問題を背景に省エネ社会への転換が求められている。  当社では工場やオフィス向けに販売活動を展開している「エコ照明」商品に加え、コンシュマー市場へ「水空気マグネシウム電池」を日本協能電子株式会社(本社:東京都大田区大森本町2-7-17)と共同開発した。  本報では、水空気マグネシウム電池の特徴及びそのシステムを搭載した共同開発商品「アクパシリーズ、LEDランプ」について紹介する。

2. 特徴

 水空気マグネシウム電池は、燃料電池の一種である。負極にマグネシウム合金を使用し、空気中の酸素を取り入れる正極に当社で開発・製造している機能膜を配置する。この機能膜は、気体透過性を有し、導電性と液体シール性能を兼ね備える。電解液は塩水を使用する。
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2-2)環境にやさしく安全
 一般的に使用されている電池と比較し水空気マグネシウム電池は、環境負荷物質や発火危険度は非常に少ない。
 アルカリ乾電池などは、市区町村や家電量販店などに設置されている電池回収ボックスで回収され、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの充電式電池は、法律で回収・リサイクルが義務づけられている。
 一方、水空気マグネシウム電池の電解液は塩水であり、当社で製造する機能膜の構成材料は、活性炭・カーボンブラック・ふっ素樹脂ディスパージョンであり環境負荷物質は極めて少ない。マグネシウム合金に塩水を加えると、塩水中の酸素と反応し白濁した水酸化マグネシウムが生成されるが、水酸化マグネシウムは食品添加物としても利用される安全な物質(にがり成分)であり、ご家庭での排水処理可能である。また、燃料となるマグネシウム合金は、塩水中に位置しており 発火危険度は非常に少ない(Figure2)。
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2-3)長寿命・長期保管可能

 ここでいう寿命は、いわゆるサイクル寿命ではなく、電池内部にエネルギーを蓄えたまま、どの程度の時間、保管できるかという保管寿命について述べる。水空気マグネシウム電池は、携帯電話などに使用されているリチウムイオン電池のように充電はできず、いったん電解液を入れたら使い切る電池であるが、一般的な乾電池やリチウムイオン電池は、自然放電を起こすため保管時にエネルギー損失は避けられず、フル充電でも数ヶ月で電力低下が生じる。しかし水空気マグネシウム電池は、電解液を入れなければ20年でも、50年でも半永久に保管できる。この特徴は非常用電源として着目されている。東日本大震災時に、いざ懐中電灯を使用しようとした時に、数時間しか使用できなかった実状は、電池の自然放 電による電力低下、損失である。

3. 新開発商品 アクパシリーズ

 今般、共同開発したアクパシリーズは、日本協能電子株式会社ブランドで販売開始する。アクパランプ210W、210R、250の3種類は、ランタン型の照明商品でアウトドア、レジャー用途及び防災グッズとしコンシュマー市場へ拡販する。
 連続点灯時間は、パワーバーと呼ばれる取替可能なマグネシウム合金1 本当たりアクパランプ210W/Rで80時間、アクパランプ250で120時間であり、スイッチON・OFFで点灯・ 消灯が可能である。
 今後は、当社で開発・製造する機能膜コア技術の性能向上で、ハンディーライト、スマホ充電機能付などの付加価値商品の開発を目指す。
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4. おわりに

 水空気マグネシウム電池は、現在開発途上にある商品である。更なる研究開発を継続し、独創的な技術で、社会発展に貢献する「環境にやさしい商品」を創出する所存である。

5. 参考文献

参考文献: 日本協能電子株式会社出展カタログ及び商品パッケージ。
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