ニューバルフロン®融着技術の開発

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バルカー・ハイパフォーマンス・ポリマーズ株式会社
樹脂製品開発部
長谷川 賢
山崎 裕之

1.はじめに

 従来製作されていた融着製品は、ニューバルフロン® 中空容器としてサイズ:1ℓ~20ℓの物であった。
 この製品の特徴としては、
 (1)融着部は目視での判別は困難
 (2)融着部強度は母材と同一
 (3)溶接と異なり接合部の隙間が無いため、薬液のしみ込みが無い
 (4)従来PTFEに比べ溶出イオンが少なく耐薬液透過性に優れている
 (5)角形、丸形等の任意形状の製作が可能
等が上げられる。
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 しかし、これ以上の大型融着品については、融着の再現性が悪い、融着後の寸法のバラツキが大きい、未融着部が多く発生する等の問題が生じていた。
 そのため基礎データ測定を元にして融着方法の再検討を行い、寸法安定性の良い融着用素材及び素材保持・加熱方法を確立させた。

2.融着性能

(1)引張強度
 ニューバルフロン®の融着特性を引張強度において母材、溶接と比較する。
 ニューバルフロン®の融着の引張強度と伸びは、広い温度範囲で母材とほぼ同等の特性を示している。溶接と比較して2~3倍の数値を有している。
(2)ヘリウムリーク特性
 融着品のヘリウム透過漏洩量を測定し、従来のバルフロン®と比較検証する
 試料サイズ:Φ85×t1.0
 融着品は、従来品の透過漏洩量を若干下回る良好な特性を有しており、融着界面からのHeリークは確認されなかった。
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3.LCDプロセスチャンバー絶縁フレームの製作

 実際の絶縁フレーム製作を以下に示す。部品形状400mm×275mm×t15mmのL字形素材を四つそれぞれ突き合わせて写真2の大型額縁状素材を融着した。更にこの素材を切削加工し写真3のLCDプロセスチャンバー絶縁フレームを製作した。
 従来のフレームは1500mm角一ヶ押し成形板から製作しており、これを超える2000mmクラスの製品は製作できなかった。しかし、本融着法を用
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いれば製作可能となり、製品の寸法変化にも迅速に対応が可能となった。
 液晶製造装置は世代毎に大型化しており、現状PTFE絶縁フレームについても2000mmクラスの製品が採用されている。
 融着工法を採用した製作実績も3000mm角クラスに至るものとなっている。

〈参考文献〉
(1)技術資料97FO98-0 バルカー®ニューバルフロン®EX1, EX2

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