キャスク用トライパック®の経年劣化影響評価 1

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研究開発部 事業部研究グループ
野々垣 肇

基幹産業事業部 技術サービスチーム リーダー
神浦 洋文

基幹産業事業部 プロダクトグループ
ガスケット・その他シール担当
山中 幸

三菱重工業株式会社 神戸造船所
原子燃料・バックエンド設計部 燃料取扱設計課
主席技師
村上 和夫
三菱重工業株式会社 技術本部 高砂研究所
構造研究室 主査
浅田 和雄

三菱重工業株式会社 技術本部 高砂研究所
構造研究室 主任
丹 保弘

三菱重工業株式会社 技術本部 高砂研究所
機器・自動化装置研究室 主任
赤松 哲郎

1.はじめに

 金属キャスクの密封境界を構成する金属ガスケット並びに蓋および本体フランジ(以下「密封境界部」という。)について、使用済燃料を長期間貯蔵した後の輸送に係る密封性能の評価は、財団法人原子力発電機構(以下「NUPEC」と称す。)殿により、リサイクル燃料資源貯蔵技術確証試験(金属キャスク貯蔵技術確証試験)として実施されている(1)(2)
 本稿では、当社のキャスク用金属ガスケット「トライパック®」について、試験装置も含め金属キャスク貯蔵技術確証試験と同様の評価方法により、二重リング構造(複列型)のトライパック®の静的および動的な変位時(口開きおよび横ずれ)の密封特性を取得し、密封境界部変位時の密封特性に対する静的および動的挙動の影響を平成14年度NUPEC殿の試験結果と比較検討し評価した。

2.試験項目および試験方法

 断面径10mmの複列型トライパック®について、平成14年度NUPEC殿の試験条件を参考に以下の試験を実施した。
 1 )静的横ずれ試験
 2 )動的口開き試験
 3 )動的横ずれ試験
 試験対象とするガスケットの構成・寸法を図1に示す。NUPEC殿供試ガスケットとの違いはスプリング材料(NUPEC殿供試ガスケットはNimonicスプリング)だけであり、他の材質、構成部材寸法すべて同じである。
 また、各試験項目において、経年劣化条件としてはラーソンミラーパラメータ一法(LMP法)を適用して加熱により与えた。表1に劣化条件を示す。
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2-1 静的横ずれ試験
 本試験は、長期貯蔵による経年劣化を模擬したガスケットについて、密封境界部の静的な横ずれに対する密封特性を取得し、落下試験時におけるフランジ部変形に対するガスケットの横ずれ量の限界を評価するため実施した。
 静的横ずれ試験装置を図2に示す。
 ガスケットを供試フランジにてボルト締結した供試体を加熱炉内に設置し、経年劣化付与条件にて加熱後、圧縮試験機にて復元特性を計測し、劣化後線圧を確認した。
 再度ボルト締結した後、静的横ずれ試験装置に設置し、横ずれ変位を段階的に与え、その聞の漏えい量をヘリウムリークディテクターで測定し、横ずれ量と漏えい量の関係を取得した。
 片側横ずれ量付加後、フランジ位相を180°変更し、ずれを戻す方向にて再度横ずれ量と漏えい量の関係を取得した後、再び試験装置を組替え、復元特性を取得した。
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2-2 動的ロ開き試験
 金属キャスク落下試験では一次蓋、二次蓋の垂直方向の衝撃により口開きが生じる可能性があり、金属ガスケットの動的な口開きに対する健全性を評価する必要がある。そこで供試フランジに衝撃的に口開き変位を与えたときのガスケット特性を取得し、口開きの限界量を評価した。
 動的口開き試験は図3に示すように加熱劣化を付与したガスケットを締付けたフランジを振り子式衝撃試験機に設置し、重錘を所定の振り上げ角度に設定し、重錘を切り離してフランジに衝突させることにより衝撃荷重を負荷して実施した。
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 また、動的口開き試験では試験前後についてガスケットの残留線圧、漏えい量を確認するために圧縮復元試験を行った。
 漏えい量測定は内側リングの内径側から真空引きを行い、内側、外側リングの間にヘリウムを供給して漏えい試験を行った。内側フランジ開口部は閉止して真空を保持した。
2-3 動的横ずれ試験
 金属キャスク落下試験では一次蓋、二次蓋の水平方向の衝撃により横ずれが生じる可能性があり、金属ガスケットでの横ずれに対する健全性を評価する必要がある。そこで供試フランジに衝撃的に横ずれを与えたときのガスケット特性を取得し、横ずれ量の限界を評価した。
 動的横ずれ試験は図4に示すように加熱劣化を付与したガスケットを締付けたフランジを振り子式衝撃試験機に設置し、重錘をフランジに衝突させることにより衝撃荷重を負荷して実施した。
 また、動的横ずれ試験では動的試験前後に圧縮復元特性を取得し、ガスケットの残留線圧、漏えい量を確認した。
 漏えい量測定は内側リングの内径側から真空引きを行い、内側、外側リングの間にヘリウムを供給して漏えい試験を行った。
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