株式会社バルカー

環境保全への取り組み

地球環境の保全が人類共通の最重要テーマの一つであると認識し、環境負荷を低減するための活動に努めています。

環境負荷物質の漏出防止と低減


漏出防止と低減のための取り組み

■ 2022年度事業活動に伴う環境負荷
バルカーグループでは事業活動におけるエネルギーや水などのINPUTや、エネルギー使用によるCO2の排出、生産工程から出る廃棄物などのOUTPUTを把握することで、環境負荷の全体像を捉えています。
国内外のグループ会社から、正確かつ迅速に収集し一元管理するため、サステナビリティ情報収集システムを導入し、適正な温室効果ガス係数を用いて算定、開示しています。

■水素社会への取り組み
バルカーグループでは2020年に次世代エネルギーとして期待される水素市場向けに、エラストマー製シール材「BLISTANCE®」を発売しました。これはブリスター現象※を発生させない画期的なエラストマー製品です。ブリスターが発生し、シール材が破壊されると、水素ガスが漏洩する危険性があります。
2022年には極低温・急減圧の過酷な条件下での使用が想定される燃料電池自動車(FCV)や、水素貯蔵タンク、エンジン回りの配管での使用を想定し、他社に先駆けて、現行仕様の-40℃より低温領域の-60℃仕様の製品を開発しました。
バルカーグループは強みである材料配合、シール設計の技術で、社会的課題を解決し脱炭素社会に向けて貢献していきます。

※ブリスター現象:高温・高圧環境下で水素がエラストマー素材に浸透し、急減圧で水素が膨張してゴム素材を破裂させる現象

■水資源保全への取り組み
半導体の薬液を貯蔵するライニングタンクは、バルカーのふっ素樹脂技術を使った主力製品の一つで、多くの半導体メーカー様、薬液メーカー様にご好評をいただいています。そのタンクを洗浄する際に回転洗浄と呼ばれるタンクを横に傾け回転させる技術を使うことで、通常の洗浄方法よりおよそ40%の洗浄液の省力化につながります。洗浄液や水の使用量低減以外にも、通常の洗浄よりも日数や管理工数も削減され、お客様に非常に喜ばれています。今後もタンク洗浄の技術を広く普及し、地球環境に貢献していきます。

■環境データをはじめとするサステナビリティデータ
近年、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動や資源問題などに対する企業の情報開示が一層求められています。バルカーグループではコンプライアンス遵守はもとより、環境データをはじめとするサステナビリティに関するデータをステークホルダーに対し、正確、かつ迅速に開示するため、2019年にサステナビリティ情報収集システムを導入。
毎年、国内12拠点・海外13拠点の計25拠点から各種データを集計・集約しています。
これにより、環境データ、サステナビリティデータの一元管理によって見えてくる行動計画などのパフォーマンス向上や、GRIスタンダード、TCFDなどに沿った情報開示の拡充に努めています。
 



■ 気候変動への対応「TCFD提言に基づく情報開示」

株式会社バルカーは、2021年5月に「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD※)提言への賛同を表明するとともに、提言の推進を目的に設立された「TCFDコンソーシアム」に加入しました。 バルカーグループでは企業理念「THE VALQUA WAY」に基づくビジョナリー経営を推進しており、社員の一人ひとりが「安全・衛生・環境は人類共通の重要テーマの1つである」ことを強く意識した企業活動を実践しています。また、創業100周年(2027年)を区切りとする長期経営目標では、ありたい企業像として「未来と未知に挑むチャレンジングな企業-人類の豊かさと地球環境に貢献するために-」を掲げ、より良き地球市民として「環境・社会・企業統治」に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献できる企業となることを目指しています。 このような認識・考えのもと、企業価値向上に努めています。

※TCFDについて
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https://www.fsb-tcfd.org
G20の要請を受け、主要国の金融関連省庁および中央銀行より構成された金融安定理事会(FSB)により、2015年12月に設立されたタスクフォースで、2017年6月に気候関連の財務情報開示に関する提言を公表しました。現在、世界中の金融機関や企業、政府などがTCFDの提言に賛同しています。

ガバナンス

バルカーグループでは、「バルカーグループサステナビリティ委員会」において、気候変動を含むサステナビリティ経営に伴う重要課題(マテリアリティ)ならびに当該課題に対する基本的な方針および取り組みを審議・決定し、定期的に常務会へ報告しています。各部門およびグループ会社はこれらに基づき事業活動をすすめていますが、特に気候変動関連のグループ全体で取り組むべき施策については、バルカーグループの「安全・衛生・環境(SHE)委員会」において審議・決定しており、各部門・グループ各社の「安全・衛生・環境(SHE)推進チーム」の活動に反映させることで、グループ横断的でかつ効果的な取り組みに繋げる体制としています。

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リスク管理

バルカーグループでは、リスクマネジメントを強化するため、「リスク管理委員会」を設置し、国内外の事業環境の急激な変化と事業領域の拡大に伴って多様化するグループ経営上のリスクを一元管理しています。
気候変動関連のリスクについては、バルカーグループサステナビリティ委員会および安全・衛生・環境(SHE)委員会のほか、コーポレート部門と事業部門が連携してリスク・機会の識別や評価、対応策の検討を行っており、これら特定された重要なリスク・機会は、リスク管理委員会に適宜情報共有され、必要に応じて全社リスクに統合しています。全体リスクの管理状況は定期的にリスク管理委員会から常務会および取締役会に報告しており、取締役会から監督を適切に受ける体制を整えています。

戦略

バルカーグループの財務に影響を及ぼす気候変動関連リスク・機会の特定にあたり、IEAやIPCCなどのデータを基に、4℃シナリオ(成り行きで温暖化が進行するシナリオ)と1.5℃シナリオ(脱炭素化が進展するシナリオ)の2つのシナリオに基づき分析を実施しました。

■シナリオの定義
対象期間:2050年を想定してリスク・機会を特定(ただし、財務への影響については2030年を念頭に評価)
対象範囲:バルカーグループ
参照シナリオ:
1.5°CにおいてはIEA NZE、IPCC RCP1.9等
4°CにおいてはIEA STEPS、IPCC RCP8.5等

※IEA: International Energy Agency(国際エネルギー機関)
※IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)

シナリオ分析の結果、特定した気候変動関連の主なリスク・機会、およびそれらリスク・機会に対する今後の対応策は以下のとおりです。

【1.5℃シナリオ(脱炭素化が進展するシナリオ)】
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【4℃シナリオ(成り行きで温暖化が進行するシナリオ)】
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※顕在期間:短期3年以内、中期4~6年、長期10年以上
※GHG:Greenhouse Gas(二酸化炭素などの温室効果ガス)
※BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)

今回、バルカーグループの気候変動関連のシナリオ分析を実施した結果、分析で使用したいずれのシナリオにおいても、高いレジリエンスを有していると評価しました。
今後、特定したリスクへの対応と機会への実現に向けて、取り組みをより一層推進していきます。
またバルカーグループは持続可能な社会の実現を目指しており、経営予算、事業計画の決議を行う際には、経営理念である「THE VALQUA WAY」や「創業100周年(2027年)のありたい企業像」に従い、気候変動問題を考慮することとしています。
例えば、設備投資予算では環境投資予算を区分管理し、取締役会において決議しています。


【THE VALQUA WAY】
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【創業100周年(2027年)のありたい企業像】

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指標と目標

バルカーグループでは、気候変動影響の緩和に向けて、合理化・原価低減活動や、老朽化設備の更新、太陽光発電による自家発電等により、短期では売上高原単位(t-CO2/百万円)前年度比1%減を目標として、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいます。
また、その実績については、温室効果ガス排出量(Scope1+2)を算定し、温室効果ガス排出量の状況をモニタリングしています。これらモニタリング結果を踏まえて、今後はバルカーグループにおける合理的な中期・長期の温室効果ガス削減目標を設定し、削減目標を開示していきます。 Scope1+2、Scope3は、本ページ次項の「事業上の環境負荷物質の低減」に掲載しています。

※売上高原単位(t-CO2/百万円):Scope1+2として算出した温室効果ガス排出量を当該年度の売上高で除した値
※Scope1:事業者自らによる温室効果ガス直接排出
※Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
※Scope3:Scope1、2を除いて、原料調達から生産、販売、廃棄までにおける間接排出
※温室効果ガス排出量:「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の各燃料および電力の排出係数、海外工場所在国の電力の排出係数を毎年再確認し算定


事業上の環境負荷物質の低減


[2022年度事業活動に伴う環境負荷データ]
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対象:バルカーグループの国内外事業所(一部、地方営業所、駐在所、海外の販売会社など規模の小さい16拠点を除く)
集計期間:2022年4月~2023年3月

主要な環境負荷の推移

■ 温室効果ガス排出量(スコープ1・2)
2022年度は2021年度に比べて絶対量で2,374tの排出量減。内訳は生産量の増加に伴い3,860t増となる見込みでしたが、合理化・原価低減活動による温調管理の見直しや老朽化設備の更新の効果で242t削減、その他、生産増による効率向上、各国の電力排出係数変化の影響、また生産関係会社が1社連結外となったことにより5,992t減少しました。この結果、売上高原単位で23%の削減となりました。

■ 温室効果ガス排出量(スコープ3)
2014年度よりサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の算定を始め、9年目となりました。スコープ3については「2022年度の温室効果ガス排出量(Scope1+2+3算定)」の表および、「温室効果ガス排出量(Scope1+2+3)の推移」のグラフをご確認くださいますようお願いします。

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※温室効果ガス排出量は、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の各燃料および電力の排出係数を毎年再確認し、算定しています。スコープ1は、事業者自らによる温室効果ガス直接排出、スコープ2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出、スコープ3は、スコープ1、2を除いて、原料調達から生産、販売、廃棄までにおける間接排出のことを指します。電力は各国の情報提供が充実してきたことから2020年度より拠点ごとの排出係数を調査し算定しています。
サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量とその推移

■ 2022年度の温室効果ガス排出量(Scope1+2+3算定)

■ 温室効果ガス排出量(Scope1+2+3)の推移
2014年度よりサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の算定を始め、9年目となりました。カテゴリ10「販売した製品の加工」、カテゴリ12「販売した製品の廃棄」については算定できておりませんが、7割以上がカテゴリ1「購入した製品・サービス」に由来するものであることを把握しました。このうち原材料が多くを占めていますが、直接製品性能に影響を及ぼす原材料を安易に変更することはできないため、歩留まり向上、不良削減など、既存の活動推進により、省資源化の取り組みを進めることで削減を図っています。
この算定結果は、環境省・経済産業省のWebサイト※に取り組み事例として掲載され、CDPや環境情報開示基盤での情報開示にも活用されています。今後も、データのモニタリングと排出量削減に向けた活動を推進します。

■ 廃棄物最終処分量
2022年度は2021年度に比べて絶対量で1tの排出量増。内訳は生産増の影響で、148tの増加となる見込みでしたが、合理化・原価低減活動による不良改善や歩留まり向上の効果で9t削減、その他、生産増による効率向上や生産関係会社が1社連結外となったことにより、138t減少しました。この結果、売上高原単位で14%の削減となりました。

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